こんにちは!今回は気象予報士試験 第62回 実技2 問3を解説します!

記述式問題は以下の項目でカテゴリー分けします。

実技試験記述5型

基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)

  • 分布型:「A側では ○○ であり、一方 B側では △△ となっている。」
  • 時間変化型:「◯時には A であったが、△時には B となり、A から B へと変化した。」
  • メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
  • リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意(警戒)が必要である。」
  • 構造型:「◯◯付近の ◇◇hPa で気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」

こちらの記事を参考⇒【実技試験講義No.1】気象予報士試験実技試験記述5型 – 独学資格塾

◇模範解答

① 日本海沿岸に伸びる収束帯は西(西進)に移動している。
② 収束帯付近では
西側では北西の強風、東側では北の風が相対的に弱い

◇解説

問3は日本海沿岸の局地的な気象現象(収束帯と渦状の降水エコー)に関する問題です。(1)ではまず収束帯の移動方向、次いでその収束帯の両側での風向・風速の違いを答えます。

①について、収束帯とは狭い範囲に風が吹き寄せられる帯状の域で、日本海沿岸に雲の筋や降水帯として表れます。図9(地上天気図)では収束帯自体は等圧線から直接読み取れませんが、風の収束しそうな等圧線の形や問題文ヒントから、気圧の谷(等圧線の屈曲部)に沿って伸びていると推測できます。29日9時と21時の地上天気図を比較すると、収束帯があった付近の状況から沿岸収束帯は西向き(日本海西方)へ移動したことがわかります。

②では、その収束帯が存在した付近の風の違いを述べます。収束帯の西側と東側で風向・風速がどう異なるかですが、29日21時の地上天気図で収束帯付近の風を考察すると、西側では風向は北西、東側では北寄りになっていると推定されます。また等圧線の詰まり具合から、収束帯の東側は等圧線間隔が広め=気圧傾度が小さく風が弱め、西側は傾度が大きく風が強めと考えられます。従って「西側は北西の風が強く、東側は北の風で比較的弱い」という風の違いになります。このように収束帯を挟んで風向が異なり、風速にも差があるため、収束帯では風の辻褄合わせ(収束)が起きて上昇流を伴うことが示唆されます。

記述式解答のポイント: ②は両側の風の比較を述べる分布型の記述です。解答では「どこで(収束帯の西側・東側)、なぜ(等圧線間隔から傾度の大小)、何がどうなる(西側はNW強風・東側はN弱風)」の観点で書くとわかりやすくなります。「収束帯付近では、西側では北西の風が強く吹き、東側では北風となっており比較的弱い。」といった文章が模範的です

◇模範解答

① 渦Bと西郷測候所との距離は約200 km
② 渦Aの中心の移動方向は東南東
③ 渦Aの移動速度は約50 km/h(※40 km/hも許容)。

◇解説
(2)ではレーダーエコーに映った2つの渦(渦Aと渦B)について、渦Bと西郷との距離、および渦Aの移動方向と速度を求めます。いずれも図9(レーダーエコー図)から読み取る計算問題です。

①渦Bと西郷との距離:図9には島根県隠岐の島の西郷測候所(島前)がプロットされており、渦Bの中心との距離を測ります。緯度1°が約110 kmであることが注釈されていますから、図上で渦B中心と西郷の距離を定規で計り、縮尺換算します。およその計算で、解答は10 km単位に丸めて200 kmです。

②渦Aの移動方向:図9では渦Aの中心位置が時系列で示されています(例えば12時、13時、14時と×印)。それらを結んだ軌跡から移動の向きを読み取ります。12時から14時にかけて渦Aは南東方向へ進んでいるのがわかります。より正確には東南東方向が適切でしょう。したがって「東南東」が答えです。

③渦Aの移動速度:12時から14時の2時間で渦A中心が移動した距離を測り、その距離を2時間で割って速度(km/h)を算出します。図9から渦Aの移動距離は約98 kmでした。2時間で98 kmですから、1時間当たり約49 kmとなります。問題では10の位までで答える想定なので50 km/hが解答となります。解答欄に(50)と(40)の両方が記載されているのは、渦Aの中心が少し不明瞭で読み取りに幅があるため、40 km/h程度でも正解として許容されたものと思われます。


◇模範解答
地点Xから見た渦の位置が…

北西側にあるとき:南風成分=①、西風成分=②

北東側にあるとき:南風成分=③、西風成分=④

南東側にあるとき:南風成分=⑤、西風成分=⑥

◇解説
(3)は少し難解に見えますが、「地点Xに対する渦の方位(北西・北東・南東)によって、地点Xで吹く風の南北成分および東西成分が正か負か答える」問題です。南風成分は南向きの風を正(北風を負)と定義し、西風成分は西向きの風を正(東風を負)と定義します。つまり例えば「南風成分=正」は南から北への風(南風)、「西風成分=負」は東から西への風(東風)を表します。

では各場合を考えます。渦が地点Xの北西側にあると、地点Xでは渦に向かうような風向になります。北西方向の渦に向かう風向きは南東風が吹くはずです。南東風は南成分が北向き(南風)で、西成分が東向き(東風)です。従って南風成分は正(南から吹いている)、西風成分は負(東から吹いている)となります。次に渦が北東側にある場合、地点Xでは北西風となるはずです。北西風は南成分が南向き(北風)なので負、西成分が西向きなので正です。最後に渦が南東側にある場合、地点Xでは北東風になります。北東風は南成分が南向き(北風)で負、西成分が東向きで負です。

以上を整理すると、解答のようにそれぞれ①正、②負、③負、④正、⑤正、⑥負となります。この問題は各成分を符号で答える形式でしたが、要は「渦がどの方位にあるときどんな風向が吹くか」を理解するためのものです。方位と風向の関係を図示して覚えておくと良いでしょう。


◇模範解答
① 渦A中心付近では気温が極大風速が極小となっている。
② (渦Aは西郷に対し)北西側を通過したと判断される。
理由:最接近前に西南西風が強まったことから、渦の位置が西郷の北西側にあったため。

時計回り
強 い 西 風 の 場 の 中 で 渦 が 北 側 ( 北西 側 ) か ら 接 近 し 、 南 風 成 分 が 次第 に 強 ま っ た た め 、 反 時 計 回 り にな っ た 。

◇解説
(4)では渦Aについて二つ問われています。①は渦A中心における気温・風速の特徴、②は渦Aが島根県・西郷の北西側を通過したか南東側を通過したかの推定とその理由です。

①渦A中心の気温・風速について。図10(西郷の各種時系列図)を読むと、渦Aが西郷に最接近した13時前後で気圧・気温・風速に顕著な変化があります。特に13時00分(最接近時)を境に気温は大きな山(極大)を作り、風速は谷(極小)を作っています。具体的には、渦接近前の12時40分頃から気温が急上昇し、13時をピークにその後急低下しています。一方風速は12時過ぎから弱まり始め、13時に5 m/s程度まで落ち込んだ後、過ぎ去ると再び強まっています。このことから渦Aの中心付近は暖かく風が弱い、いわば「台風の目」のような状態であったと考えられます。よって①は「気温:極大、風速:極小になっている」と答えます。

②渦Aが西郷の北西側を通過したか南東側を通過したか、です。これは西郷における風向の変化から推定します。図10によれば、渦通過時に西郷の風向は南東から東、さらに北東へと変化していました。渦が接近・通過する際、風向が渦を中心として背中側(後方)から吹き込む風に変わることを考えると、南東→東→北東と風が変化したのは渦が西郷の北西側を通過したケースに対応します。さらに、図10の風速成分解析を見ると、渦通過時に一時的に西風成分がマイナス(=東風成分が吹いた)時間帯があります。これは渦が観測点より北に位置した際に現れる特徴です。総合すると渦Aは西郷のやや北を通過したと結論づけられます。したがって「渦Aは西郷の北西側を通過した」が正解です。その理由として「渦最接近前に西南西風が強まり(=渦が北西にある兆候)、通過時には東寄りの風が観測されたため」といった旨を40字程度で記述します。

記述式解答のポイント: ②は観測データから渦の進路を推定する原因→結果型(プロセス型)の問題です。「北西側」か「南東側」かを明示し、「なぜそう判断できるのか(風の変化の特徴)」をセットで書きます。模範解答では「渦最接近前に西南西風が吹いた(原因)ため、渦は観測点の北西側を通過すると判断される(結果)。」という構成になっています。風向の時間変化という根拠を忘れずに示しましょう。

③②において渦Aの移動方向は東南東で西郷の北側にあることが示されている。よって該当時刻の一般的な風向の時間変化は時計回りに変化することになる。

④第一に一般風(季節風)の西風の場に、渦本体の西成分の風が加わることによって風速が強まっていることが考えられます。次に、風向が反時計回りに変化することに関しましては、一般風(季節風)の西風の場で、渦が北西側から接近することにより渦本体が持つ風の南成分が次第に影響したためと考えられます。したがって、解答のようになります。


◇模範解答

① 渦Bが米子に最接近した時刻は17時30分頃
② 渦Bは米子の南側を通過した。
理由:通過時に米子で一時東寄りの風(西風成分が負)となったため
③ 気圧:最接近時付近で極小になった。
  10分間降水量:最接近時の直後に極大になった。
  気温:相対的に変化は小さい。

◇解説
(5)では鳥取県の米子における気象の時間変化に関する設問です。渦Bの通過に関連して、①最接近時刻、②通過方位の推定、③気圧・降水量・気温の変化を答えます。

①最接近時刻:図9のレーダーエコーで渦Bの位置と時刻を追うと、17時以降に米子付近へ最も接近していることがわかります。一方、図10(米子の時系列)で気圧が谷(極小値)をつけるのは17時20分頃です。問題では30分刻みで答える指示なので、この17:20頃を17時30分と丸めて答えます。

②通過方位:渦Bが米子の北側を通ったか南側を通ったかを考えます。図10によれば、渦通過時に米子の風向は南東→東→北東へと変化しています。この風の振れは、渦が観測点の南側を通過した場合に起こる典型的なパターンです(渦が南を通ると風は南東→北東と時計回りに変化)。さらに、渦通過中には米子の風の西成分が一時的に負(=東風)となっています。西風成分が負ということは風向が東寄り=渦が米子より北にある場合には起こり得ず、渦が南側にある時の現象です。よって渦Bは米子の南を通過したと結論づけられます。理由としては「渦通過時に米子で東風(西風成分負)が観測されたため」等と記述します。

③気圧・降水量・気温の変化:図10の米子の時系列データを読み取ります。渦B接近時(17時過ぎ)に米子の気圧は谷を作り最低値(極小)となっています。降水量(10分間降水量)は渦が通過して少し経った直後に最大(極大)となっています。これは渦(低気圧)の背面で強い降水があったことを示します。気温については、渦の接近・通過による顕著な増減が見られず、他要素に比べ変化は小さい状態です(多少の上下動はありますが極値をつけるほどではない)。以上より「気圧は最接近時に極小、降水量は通過直後に極大、気温は相対的に小変化」とまとめられます。

記述式解答のポイント: ③は時系列変化を述べる時間変化型(型B)の記述です。それぞれの要素について「いつ頃どのように変化したか」を書きます。模範解答のように「~時付近で極小になった」「~の直後に極大になった」「変化が小さい」とキーワード(極小・極大)を用いると簡潔かつ的確です。「極小」「極大」は気象の記述で頻出の表現なので覚えておくとよいでしょう。なお「気温は変化小」としたのは、他に比べ明瞭な極大・極小がなかったためで、無変化ではなく「相対的に小さい」**程度の表現に留めています。


◇模範解答

「大雪」「雷」「着雪」「波浪」「なだれ」の中から3つ

◇解説
(6)は米子において発表が予想される注意報を問う問題です。ただし「風に関する注意報以外で」との条件があります。注意報は全部で16種類ありますが、風系(強風・暴風など)を除外すると残るのは下記になります:

  • 大雨、洪水、雷、濃霧、乾燥、低温、霜、融雪
  • 大雪、着雪、着氷、波浪、高潮、なだれ

この中から今回の気象状況に関連するものを選びます。問題文や図から読み取れないもの(濃霧・乾燥・霜・低温など)は除外できます。また松江の降水量が少ない(局地的な雨に限られた)ことから大雨・洪水も該当しません。気温が0℃前後で推移し続けているため融雪(雪解けによる出水)もありません。気圧の傾向から高潮の心配もないでしょう。残った候補は「雷」「大雪」「着雪」「波浪」「なだれ」の5種類です。米子周辺では寒気を伴う渦の通過により局地的に雷を伴った雪(着雪の恐れあり)や風波の強まり(波浪注意報レベル)、積雪増加(大雪注意報レベル)、山間部では雪崩の危険も考えられます。この5つの中から3つ選んで答えれば正解とされています。実際の試験では5つすべて書いてしまうと字数オーバーになるため、代表的な3つを書けば十分です。


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【過去問解説】第62回 実技2 問3

どくりん


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